第47回愛媛マラソン完走記・その2 -横河原橋までの上りも順調にクリア-

愛媛マラソン、11kmを55分3秒とほぼ目算どおり乗り切りました。折り返したら上り坂がだらだらと22.5kmあたりまで続きます。折り返したらすぐ、沿道から同じ職場の方の声が聞こえました。あまりに突然で予想してなかったので、とっさに「ありがとうございますっ」とだけ答えて上りに挑みます。
ここから先フジグラン重信あたりまでは1km5分12秒を目標に5分15秒ぐらいまでを許容範囲としてました。タイムは多少上下しながら上りをクリアしていきます。14km久米窪田交差点を過ぎてしばらく行ったあたり、ずっと上りが続くので、同道の方と「きっついですね〜」で意見が一致しました。実際14kmから15kmまでの1kmは5分20秒と目算より少し悪くなってしまいました。といっても、15km通過はだいたいのメドにしていた1時間16分に対して1時間15分56秒、どんぴしゃです。20kmの制限1時間45分を考えるとまだまだ余裕もあります。15kmを過ぎるとしばらく上り下りが混じってくるようになります。17km手前、フジグラン重信のところでちょうど職場の方二人に置いて行かれました。しかしこちらは設定ペースを墨守します。17kmはそこから少し下ってレディ薬局の目の前、1時間26分11秒と、ぜんぜん問題のないペースでした。このへんは周囲の選手を相手にせず時計とにらめっこ、という感じで進んで行くので、周りに置いて行かれてますがほとんど気にしません。前半は、これでいいのです。
...そういえば、競馬のほうでこんなことを聞いたことがあります。
「どの馬にもガソリンタンクがあって、めいめいタンクの容量は決まっている。だからあとは、レース最後までにいかに無駄遣いせずに、しかも最後にはきっちりと使い切れるかということ。車で言えば空ぶかししない、アクセルを一定に踏み続ける、といったことができれば理想的。とすれば、たとえば枠順をみて位置どりのためにガソリンをどれだけ使うか考えたり、当日の馬場状態を想定して足を使うような位置どりになっているかいないかをチェックするといったことも含めて考えるべきだ」
私は幸か不幸かギャンブルはいっさいやりませんが、マラソンも同じだと思いました。長い距離を練習するのは、ガソリンタンクの容量を増やすためです。スピード練習やダイエットは、燃費を上げてガソリンの無駄遣いを少しでも減らすことにつながります。本番直前のカーボロードは給油にあたりますし、本番ではガソリンを後半にとっておくために、ウォームアップをしなかったり前半を抑えて入る(ことで暖気運転での無駄遣いを減らす)ことに気をつけています。
...今回も多少の誤差はあるものの、おおむね予定どおりにレースを進めることができています。そして最初の難関、17kmからの本格的な上りにさしかかります。
ここからの区間、18kmまでは5分30秒、そこから先22kmまでは1km5分45秒でいいと考えています。また、フジグラン重信あたりの沿道の声援が大きいので、この先の高架橋を越えてしばらく行くまでは沿道の声援が少なくなるように感じてしまいます。ここからの上りが本番で苦しいので、声援が欲しいところなのですが...
ま、私には個人的に19kmすぎてからの田窪交差点に待ってもらっている人がいます。そこで待ってくれていると思うと、それが楽しみになって苦しみが少しでも和らいできます。そんなことを考えているうち、先頭が折り返しを回ってやってきました。あれ?なんか一般参加選手が先頭を行っているぞ?どうなっているんだ?
そうこうしているうち18kmを通過し5分15秒。おっ、これはもしかして去年より実力上がったのか?という思いが一瞬頭をよぎったところですぐ、伊予鉄道横河原線をまたぐ牛渕高架橋にかかります。ここもひとつのポイントです。ここを無理しないようにそろそろと上ります。去年は上りきってから下りを一気に上げようとしたのでかえって苦しくなったのですが、今年は上りきってから
「去年いっぺんに上げて無理したんで、今年は道なりにゆっくり上げま〜す」
と声をかけて下りにさしかかります。道の傾斜を利用してふらふら〜っとペースを上げ、19kmを通過。5分半を切れました。この時点で1時間36分54秒。20km関門1時間45分には十分時間を残しました。少し行って田窪交差点にさしかかります。
え〜っとどこにおるんやろ。まあわからんからとりあえず手ぇ振っといたら見てくれるやろっ。...あっ、あそこにおった。こっちこっち〜
しっかりと声援に応えて手を振り、通過していきます。よっし、こっから格好わるいことできんぞ。上りの苦しいところのはずがずいぶん楽になり、20kmを通過。1時間42分27秒、あとからみれば、ここで去年の通過時間を上回りました。この1kmも5分33秒で乗り切り、予定を上回るペースです。でも決して無理しているわけではありませんし、平地よりは遅れているわけですから決してオーバーペースでもないはずです。このあとも周囲に遅れつつ一歩一歩進んで行きます。抜かれるたびに考えることは、
なんでみんな、こんなきつい上り坂でがんばるんやろ?ガソリン無駄遣いしてまうやん。次の関門30km、下り坂の向こうやねんから足残しといて下りがんばったほうがええんと違うん?
...どうやら私のような実力でそんな考え方をする選手は少ないようです。20kmを私ぐらいのペースでクリアしたら、次の関門30km2時間38分までの配分を均等に割ると1km5分30秒ぐらいのペースですし、そこを順調に通過したからといって35kmまでは1km5分48秒と、そんなに楽をさせてくれるわけではないので、単純に考えたら、22km過ぎの折り返しからのペースアップは数字だけみれば無謀以外の何物でもありません。しかし、昔の兵法書に書かれているらしい「地を責めて人を責めず」という言葉のとおり、フルマラソン4時間そこそこのレベルでは、地形と喧嘩してはダメです。地形が険しいなら、それを利用する作戦をしっかり立てることです。これが、私が初マラソンに愛媛マラソンを選んで30kmで時間制限にひっかかった失敗から得た教訓です。
...さて、上りが続いている最中ですが中間点を通過。1時間48分33秒、ほんとうに狙いどおりのレースができています。レースプランより少し速いのですが、まずまず、これならばっちりです。このあとも、折り返してやってくる職場の人たちを、4車線ある道の反対側に聞こえるように声をかけつつ上って行きます。折り返しが見えてきました。22kmを通過、1時間53分40秒。23km通過が2時間と目算を立てていましたので、やはり少し速いぐらいです。足はまだまだ使ってなく大丈夫、それに無理はしてないからこのまま押して行けるはず。間もなく歩道橋を越えて、折り返しが迫ってきました。するする〜っと折り返します。この先の下りからが、レースの正念場!